桃源郷
なにか投稿するときに深く考えずにタグ付けしたり、ときにはそのタグを検索して自分の投稿を見つける人のことを想定してタグ付けしたり、人によって使い方はさまざまなんじゃないかと思う。
そんなハッシュタグで
というのがある。これは、撮影場所の雰囲気がそれとなく両者の作品に似ているか、撮った写真を編集して色味を似せた写真とともに添えられる。 もちろん他の作品や、著名人のタグもあるんだけれども圧倒的にこの2つは目を引く気がしている。
それは、わたしがちょっと意識して見ているからかもしれないけれど。
自分が見た世界を、ジブリの世界や、新海誠さんの作品の世界観に寄せること。
もちろんほかにも、ひとりひとりの目にはまた別の世界が広がっているはずで、つまりはそういった他の人の創り上げた世界と、自分の見た世界をリンクさせること、なのだけど、それにはこんな想いがあるんじゃないかと、漠然と考えたことがある。
彼らの世界は、桃源郷である。
少なくとも、私の中では。
ひとり、辿り着いたきり、誰も辿り着くことのない世界。
だからこそ、ほかの人々、そのたったひとりが見た光景以上のものが、そこにあると夢見てしまう。そこに行けたら、と必死に模索する。
どうしたって行けないのなら、行った気になるしかないのである。
自分が見るこの世界が、もし、その“桃源郷”だとしたら、どんな姿なのだろう。
青を鮮やかに、赤みは落として。
緑は黄色に寄せるのか、青に寄せるのか、はたまた暗く沈ませるのか。
たったひとりが描いた景色を思い返しながらああでもないこうでもないと、自分が見た景色に重ね合わせる。ただこれは、私の場合、他でもない“写真”という平面に等しい場所の上で、なのだけれど。 だけど、それがなんだって構わない。と思う。
どこか遠く離れた、現実に行けるかも定かではない土地に想いを馳せるのは、けして悪いことじゃない。 そんな憧れが今なにか行動するきっかけになったりもするのだから。
素敵なお写真は全て、私の敬愛する写真家 Iskaさんから許可を得て掲載させていただいたものです。
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