Y’s blog

届きますように、この言葉。

दो do - インド人からのミッション -

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何とか無事にインドに辿り着けた私が、空港からそのまま向かったのは、電車で数駅先のニューデリー。インドの首都である。


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エアポートメトロだったためか日本の電車以上に綺麗で快適な電車移動で目的地の駅に着いてしまった私は安直にもこう思ってしまった。


あれ、意外と行けるかも???


気さくに話しかけてくるインド人を笑顔で切り抜けつつ、駅の職員に聞いた方へと歩いていると、ゲートのようなところに立つインド人に

「この先を通るには×××パスが必要だよ、ないなら〇〇〇まで行って取ってこなきゃ。」

と言われた。

なんだそれ。

と思いつつオートリキシャー(トゥクトゥクとほぼ同じ。)の人に案内され、20ルピー(日本円で30円程度)支払い乗り込むことになった。


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連れてこられたのは小綺麗なオフィス。
デスクがひとつと、向かいにまた新たなインド人。


「私はあなたを全力でお助けしますよ。」


とにこやかに言われたものの、そのあとに続けられた台詞は全然笑えない。


「デリーは今お祭りの影響で発生したデモの影響でどこも宿は閉まっている。泊まるならこの辺だと近くてアグラかジャイプルしかないよ。」


は?????
お祭りっていうのはホーリーのことだろうとしても、予約取ったのに泊まれないなんてことある?

嘘だあ!
と喚いていたら、デモの様子の写真を見せられ話をされた後に
泊まる宿の名前を教えろ。
と言われ、確認したあとに予約していた宿と思しき相手と繋いでもらった。期待とは裏腹に見事に空いてないですの一点張り。

まじか、今からアグラか。
アグラは何せタージマハルがあるので、インドに来たからには行きたい場所だけれどもこんな形で行くことになるのはちょいと違う。何せ友達と取った宿だし、そもそもアグラまで、と提案されたプランに必要な料金が馬鹿高い。日本円で3万5千円程度。そもそもそんな金が(インド初日にして)手持ちになかったのである。
本当にこんな金かかるの?もっと安いルートあんだろ?
とごねると、次に繋がれたのはインドで有名な日本人宿“サンタナ”のスタッフを名乗る日本語流暢なインド人。
もっと安いバスにしろ電車にしろ何かしらあるよね?!
と言ったらこのインド人も抜け抜けと、
「んー、ナイデスネー。」
の一点張り。しかもあっさり電話切る。

ええええ、まじか。
まじで?

時計を見たらもう外は暗い時間なのが分かったし、とりあえずどうしたらいいか分からないし、アグラに行くしかないのかと思い始めるが、

しかし金がない。

まずインドルピー自体、街で換金するつもり(どこもそうだけど空港は基本レートが悪い)だったので日本円で500円もない。


「日本円はあるだろ!?」


って言われたけどそもそも日本円も2万弱しかない。(けど払いたくないから嘘ついて1万円しかないと言い張った。)


「他のお金は?」


って聞かれてしぶしぶ出したのはタイバーツ。
しかも日本円にして3,000円程度。


「これじゃなんにもできないよ!」


インド人ちょっと苦笑い。知らねえよ、タイでは生きてけるんだこれで。(大嘘)

「……じゃあカードはあるよね?」

と言われてわりとすんなりカード出すけど、私、自分のクレジットカードのピンコードを知らない。(真剣)

インド人もびっくり。


あんた、今までどうやってこのカード使ってきたの?


ってめっちゃ聞かれる。
そう、インドはセキュリティの問題でピンコードを入力しないとカードが使えないのである。
署名ひとつで切り抜けてきた私、ここで命拾い。

なぜ、命拾いなのか。

私はこの後、もうここ閉めるからとツアリストインフォメーションを追い出されることになるのだが、その下にはさっきと違うリキシャーのお兄さんがいた。


「泊まるって言ってた宿の前まで一応送ってあげるよ、一応ね。」


みたいなことを言ってくれた。


「ほんとに???」


もうちょっぴりインド人に対して何をどう信じていいのか分からない私はとりあえず目の前に現れたこのインド人を信じる賭けに出た。

宿が空いてなくたって、同じ部屋に泊まる約束をしていた友達に会えたらこの時の私には万事解決だったのだ。

途中おじいちゃん運転手のリキシャーに乗せられかけたけど、

私はあなたを信じたい。

とひとこと告げると宿泊予定だった宿まで本当に連れていってくれた。

しかも、リキシャーを降りると宿はあいていて、ちょうど私が宿についたかどうかを確認しに部屋から出てきていた友達と合流することもできた。日本人に会えたってこと、宿につけたってこと、最後の最後にインド人は優しかったっていう安堵感が凄すぎて、一人泣きそうになった。しかしよくよく落ち着いて考えさせてほしい。


宿あいてるやないか!!!!!


そう、ここに来てようやく私はさっきのアグラ行けとか軽々と言ってのけたインド人のおっちゃんがでたらめ言ってたことを確信したのである。


遅すぎか。


しかもこれ、インドでは初歩的な詐欺の常套手段なんだとか。何も知らずに飛び込みすぎた。インドは深い。軽い気持ちで来て、どっぷり溺れそうな国。


しかしこの時の私はまだ知りませんでした。
インドの洗礼はこれだけじゃないってことを。


さらなる洗礼はまたこんど👋



🙏